研究紹介- 植松 康 -


空間構造の風応答と耐風設計に関する研究

ドームなど大空間構造は一般の建築物に比べて軽く、柔かい構造物です。そのため、設計上風荷重が支配的になることがしばしばあります。従って、大空間構造が強風中でどのような挙動をするのか明らかにし、それを適切に考慮した耐風設計法を提案することが重要です。風洞実験や応答解析などに基づいて研究しています。また、基礎研究の成果を、宮城スタジアムや熊谷ドームなどの実プロジェクトに応用しています。


建築物外装材システムの耐風性能評価

台風等の強風による建築物の被害はほとんどが、屋根や壁などの外装材に発生しています。外装材の被害はとかく軽く見られがちですが、屋根全体が飛ばされるといった大きな構造被害の引き金となったり、飛散物となって二次被害(物的、人的)を引き起こしたりするため、その防止は極めて重要です。本研究では、外装システムの風荷重の特性を風洞実験で調べるとともに変動風圧下での外装システムの挙動を実大アセンブリ試験体を用いた試験で調べ、強風被害低減のための対策を提案しています。


次世代鉄骨ハウスの開発研究

最大瞬間風速50m/sにも耐える高い耐風性能とスパン20m以上の広い無柱空間をもち坪2万円程度の安い建設コストで建設可能な農業用鉄骨ハウス(次世代鉄骨ハウスと呼んでいます)の開発を行っています。形状の工夫による風荷重の低減、風力の予測と制御、力の流れがスムーズとなる合理的な骨組とそのシステム化により、実現を目指しています。


独立上屋の風荷重と耐風設計

独立上屋は、通常の建築物と異なり、壁がなく柱だけで支えられた屋根です。このような屋根では上面だけでなく下面も気流に曝されるため風力に特性が非常に複雑で、風荷重や耐風性能評価が非常に難しい問題です。このような屋根では、風洞実験模型を作製すること自体が難しいため、世界的にもほとんど研究が行われていません。本研究では、精度よい測定ができるような実験模型の作製や新しい実験装置の開発を行い、この課題に取り組んでいます。また、数値流体解析(CFD)を利用して屋根周りの流れ場や屋根に作用する風力の詳細について検討しています。


薄肉円筒形構造物の耐風性能と耐風設計

サイロやオイルタンクなど円筒形貯槽は、一般に薄肉であるため、風圧を受けると振動や座屈が発生して損傷・倒壊の危険性があります。本研究ではこのような構造物を対象として、風洞実験で風圧性状や振動・座屈性状を明らかにするとともに、理論解析によってそれらの発生メカニズムの解明を行っています。


竜巻等突風災害の低減対策

2005年9月に宮崎県延岡市で、同年11月には北海道佐呂間町で大きな竜巻災害が発生して、建物被害や人的被害が発生しました。その後も各地で竜巻やダウンバーストといった突風がしばしば発生し、被害を引き起こしています。地球温暖化により、このような傾向は益々高まると言われています。本研究では、実際の被害調査を通じて竜巻等突風の実態を明らかにするとともに、住民や行政へのアンケート・ヒアリング調査を行い、「予防」、「事前対応」、「応急対応」、「復旧・復興」の各フェイズで取るべく対応のマニュアル作成を行っています。


建物屋根に最適なマイクロ風力発電システムの開発研究

水平屋根の先端部や切妻屋根の棟近傍には強風が発生します。この建物による強風を利用して効率よく発電する小型の風力発電システムを開発しています。ブレードを直線水平軸とすることで、耐風性の向上と風切り音の低減を図ることができます。また、風のエネルギーを電気エネルギーに変えることにより、風車後方の風が弱まるため、屋上の風環境の改善や屋根の強風被害低減効果も期待されます。
   
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