研究紹介- 中村 教博 -


隕石孔、断層、津波石や隕石の古地磁気学と地球惑星科学の研究

私の研究の核心をなす学術的「問い」は、巨礫や断層破砕帯が津波や地震による運動後に、どのように新しい磁気を獲得するのか?を決めることである。私が追求している地磁気による年代推定は、Louis Néel(ノーベル物理学賞)が極細粒の磁性鉱物を仮定し、その磁性鉱物が有する残留磁気が指数関数的に緩和
することを定式化したことに基づいている。つまり、残留磁気
をもつ巨礫が、津波運搬後の数百年間以上もの間、室温下で地磁気にさらされると、既存の残留磁気が緩和し、現在の地磁気と平行に新しく残留磁気が獲得されることを利用している。この新しく獲得された磁気は、実験室内で加熱することでその磁気を失う(低温・長期間で獲得した磁気=高温・短時間でその磁気を消失)ため、この残留磁気が失われる温度と時間の関係を利用することで、巨礫が津波によって運搬された年代を推定できる。しかし、この伝統的な理論では解決がつかないデータがおおくなり、ネールの理論を非線形統計物理学の応援を得て、拡張している。今後、この理論背景のもと、津波石に限らず、石器の定置年代にも取り組んでいきたい。
   
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